夢小説 いつわりびと空

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舎舎迦(ササカ)での出来事(ネタバレ注意)

閨視点
あの子は何も知らない
自分のやっていることも
今、この舎舎迦が危ないということも
だから、私があなたを守る
そのために生まれてきたんですわ・・・
大丈夫、怖くない
あなたのためなら死んでもいいって思えたの
あなたが優しく接してくれたときから
わたしはあなたの『影』になることを決めていた
あなたは何も知らない
外のこと
世界のこと
やっとあなたの檻が壊されたんですもの
死んでしまっては駄目
私の分まで、生きて・・・

鬼姫視点
私ね、ずっと一人だったの
寂しかった
みんな、私を邪険にして、あざけ笑うの
でもね
七歳のときだったかしら
あなたが来てくれたのは・・・
ひどい格好だったわね
枷(カセ)をつけられて、もうボロボロの状態で・・・
おかしいと思ったけど、そんなことより、喜びの方が強かったの
あなたと会えて私は幸せだったわ
もうすぐこの国は終わるでしょう
怒れる国民たちの手で・・・
これが報いだというのならば・・・
私はそれを受け入れましょう
死ぬのは怖い
怖い怖い怖いよ
でも、あなたのためなら怖くはないですわ
きっと私の分まで幸せになって・・・

閨視点
「姫様っ!大変です!」
「どうしたの?」
「民草が・・・この城へ乗り込んできました!」
「そう・・・もう、きてしまったんですわね」
あの子は、笑った
「爺や、今まで私のために働いてくれてありがとう。
きっと生きてね。約束よ」
「姫様・・・。私めは、なにもできませんでした。このままではいけないとわかっていたのにもかかわらず・・・。どうか許してください」
「いいのよ。私は、あなたといれてとても幸せでしたわ。ありがとうね。」
どうして・・・
こんなにも無垢(ムク)で、優しいこの子が殺されなくてはいけないの?
守る
守って見せますわ
あの嘘吐き共と、同じ方法で

「・・・さあ、隠れましょう。いつ見つかるか分らないんですもの・・・。さ、急いで」
「う、うん・・・」
私達は物置部屋に隠れた
「どうしよう・・・このままじゃ見つかってしまうわ」
「・・そう、ここに居られるのももう限界」
「え・・?」
「あなたは、何も知らないわ
海、山、大地・・・。そして人を。」
「ねえ、どうしたんですの?」
「私はもう十分生きた。精一杯。あなたと一緒に」
「そうよ、だからこれからもずっと一緒に・・」
「でも、それはできない。いつか、別れのときがくるのよ」
「何を・・・言っているの?」
「私が国民たちの前にでていく。私が偽者とはきっとわからない。その隙を見て・・・あなたは逃げるの」
「・・・私のために、死ぬの?」
「ええ」
「私を逃がすために、死んでくれるの?」
「ええ、そうよ」
「・・・ありがとう・・・。ありがとう」
「・・・当たり前のことですわ。だからもう泣かないで。じゃあ、私はいきますわね。どうか、幸せに・・・」
「待って!まだ、旅支度をしていないの・・・だから、それまでは一緒に居て・・」
「・・・わかったわ」

私は・・寝てしまった・・・


そして、私があの子の代わりになることはなかった

「遂に鬼姫を処刑したぞー!!」

その声に気付いて起きた
物置部屋の扉の隙間から見えたのは、あなたが十字架にはりつけられて燃やされている、無惨な姿だった

きっとあの子は私を恨んでいる
そう思っていた
なのにー

偶然見つけたあの手紙
あなたが私に残してくれた手紙
それをみたら、涙が止まらなかった・・・

〔あなたがこの手紙を読むとき、私はもういないでしょう
優しいあなたのことだからきっと悲しんでいることでしょう
でも、私がいなくなったことを悲しまないで
旅支度というのは嘘
あなたを助けるための嘘なの
私がみんなの前へ出て行きます
だからどうか・・・生きて・・・〕



というのを作りました
エヘヘ////